答えのない問いに向き合い諦めず、道なき道をゆく
研究・開発
INTERVIEW
私たちの志

答えのない
問いに向き合い
諦めず
道なき道をゆく

小林 愛美MANAMI KOBAYASHI

プロフィールPROFILE

2014年入社
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 
生命薬科学専攻 修了
研究開発本部 基盤技術研究室 所属
体内で分解される「生分解性材料」という材料を用いた消化管ステントや
小口径人工血管の開発を担当する。
患者様へ想いを馳せながら、医療従事者からのニーズや実現性、市場規模など全体を考慮し、
まだ世にない製品を生み出すための研究開発を行っている。

患者様視点にこだわりながら、
世界初の領域に挑戦する

私が所属する基盤技術研究室は、臨床のいまだ満たされていない潜在的なニーズに応える新しい医療機器の開発を目指しています。研究室の開発テーマは、病院や大学の先生から寄せられた現場のニーズとJMSの様々なコア技術を組み合わせて創出されます。そのなかで私は、体内で分解される「生分解性材料」の医療機器への用途開発を担当しています。新領域で難易度が高く、場合によっては治験が必要となるため、製品化までに10年程度の長い年月がかかります。開発の過程で新たな課題が見つかることもあり、根気のいる仕事ですが、就職活動の中でJMSの魅力だと感じた“患者様視点のこだわり”を常に心に留め、製品化を目指して日々開発に励んでいます。
体内に埋植される医療機器は、患者様の身体に特に影響を与える可能性があります。さらに、生分解性材料を用いた医療機器開発は、「体内で過剰な炎症を起こさないか」「分解過程でも性能を発揮できるか」なども念頭に置く必要があり、常に患者様のことを深く考えながら、世界初の領域に挑戦しています。

何度失敗しても、
試行錯誤を止めない

私の開発テーマは先行製品がなく、成功するかどうかまったくの未知数です。そのため、医療現場へのヒアリングや文献を確認してニーズはどのくらいあるのか、技術的に実現可能なのか等ゴールを見据えて取り組む必要があります。開発を始める前に丹念に調査や分析を行っていても、実際にスタートしてみると、現在の科学の知見では予測できないことが起こり、そのたびに開発品の設計や試験方法を再考します。試行錯誤を重ねても思うような結果が出ないこともあり、時には開発コンセプト自体の見直しが必要となることや、開発中断を余儀なくされることもあります。しかし、これまで行ってきたことが無駄になったと悲観するのではなく、将来何かのヒントになるかもしれないと考えるようにしています。
手探りで進めなければならない厳しさもありますが、誰もやったことがないことだからこそ、メンバー全員でチャレンジする楽しさが私の原動力になっています。

道なき道を、成長のチャンスに
変えていく

誰も正解を知らない研究・開発の世界は、みんな平等です。だからこそ、年次に関係なく意見やアイデアを自由に出し合い、追求することができます。そこで大切なのは、「どんなに小さなことでも、とにかくやってみる」というフットワークの軽さです。文献を読んで、「こんな面白そうなことが書いてあるから実験してみよう」という小さなきっかけが、取り組んでいる開発テーマの大きなヒントになるかもしれません。あらゆる機会をすべて学びに変えるというマインドを持って挑戦していけば、いつか突破口が見えてくると信じています。
私はこれまで自分の得意分野である生物系の知識に頼りがちだったのですが、実験に行き詰ったときなど将来役に立つかもしれないと思い、工学系や化学系の知識も勉強しようと考えるようになりました。専門性も大切にしながら新しいことに挑戦することで、それまで世の中になかったような、医療の世界を切り拓く製品の開発につなげていきたいと思っています。この道なき道を研究開発者としての成長の機会ととらえ、諦めることなく前進し続けていきます。